小型観光船「KAZUⅠ(カズワン)」が出港したウトロ漁港=2025年4月22日午後0時46分、北海道斜里町、加藤丈朗撮影
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知床半島西側の斜里町。漁港に隣接して、観光船の運航業者が並ぶ。「知床遊覧船」の事務所も、その一角にあった。 2022年4月23日午前5時。網走地方気象台は網走地方の気象予報を発表した。「海上では西の風強く、波は1.5メートルのち3メートル」。すでに、斜里町には強風注意報が発表されていた。 北海道・知床沖で遊覧船が沈没した事故をめぐる刑事裁判での証言や、現地での取材から、あの日、何が起きたのかをたどる。 午前8時頃、「KAZUⅠ(カズワン)」の豊田徳幸船長(当時54)が出勤した。初めての乗船を控えた甲板員(当時27)と、運航準備を始めた。 「午後もう欠航だね」。別の遊覧船の乗組員が声をかけると、船長は「ああ」と答えた。 事務所前には、当日のコースを示す看板が置かれた。往復約3時間の「知床岬」コース、往復約1時間の「カムイワッカ」コース――。 午前8時50分、乗客の受付…








