文化庁時代から待った奈文研所長の思いは 「飛鳥・藤原」世界遺産へ筒井次郎印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする
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文化庁の文化財調査官として11件の文化遺産の登録に携わった本中眞・奈良文化財研究所長に、世界遺産登録をめざす「飛鳥・藤原の宮都」について聞いた。「飛鳥・藤原の宮都」世界遺産へ ユネスコの諮問機関が「登録」勧告世界遺産登録へ「飛鳥・藤原」どんなところ? 記者2人が動画で紹介東アジアの交流が生んだ「飛鳥・藤原」 20年越し悲願、世界遺産へ ――「飛鳥・藤原」は、文化庁が2006年度に全国の自治体から公募した世界遺産候補の一つで、奈良県から提案されました。 私は1994年から文化庁の調査官として「原爆ドーム」や「富士山」などの世界遺産登録に携わりましたが、飛鳥・藤原は早い段階で「いずれ世界遺産にならないといけない」と思っていました。 しかし、建物がない、地下に埋もれた遺構の価値は、海外の専門家に説明するのが難しかったのです。その例が「古都奈良の文化財」(98年登録)の構成資産の一つである平城宮跡です。「古都奈良」には東大寺や興福寺といった建物があるのに対し、飛鳥・藤原にはそういった地上の遺構が少なく、より難しいと思っていました。 それでも、日本を代表する考古遺跡の中には世界遺産にすべきものがあると、ずっと考えていました。日本史の中で、それが人類史でも重要なものであるとしたら、世界に示していくべきです。世界遺産となるために必要な「顕著な普遍的価値」(OUV)を的確に捉え、世界遺産リストをバランスよく充実させていく。それが「北海道・北東北の縄文遺跡群」(2021年登録)であり、飛鳥・藤原なのです。 ――文化庁が06~07年度に2度実施した世界遺産の公募では、飛鳥・藤原を含む計9件が世界遺産候補となる暫定リストに載りました。飛鳥・藤原は、掲載から19年もたちました。 文化庁の主任調査官の立場で言えば、(世界遺産に推薦できる段階を)私はずっと待っていました。 世界遺産は数が増えたため、新規登録数を抑制するようになり、14年の登録分からは各国からの文化遺産の推薦は年1件までとなりました。 暫定リストに載った9件をまとめて登録することはできないので、「富士山」や「富岡製糸場と絹産業遺産群」など、準備が整った順に推薦することになったのです。 飛鳥・藤原も、いずれは世界遺産になるだろうし、好機がきたら進めていけばいいとは思っていました。 ――飛鳥・藤原は、国の特別史跡や史跡に指定された飛鳥時代の遺跡が密集し、世界遺産の「価値」に近いように見えました。なのに、他の候補が次々と登録される中、公募組の9件の中では最後となりました。 (奈良県の)地元の状況を見…この記事は有料記事です。残り855文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんこの記事を書いた人筒井次郎文化部|大阪駐在・歴史担当専門・関心分野世界遺産、京都・奈良、寺社・遺跡・文化財関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする








