世界遺産のイコモス勧告とは 「登録」「情報照会」なら正式登録に道2026年6月1日 6時00分筒井次郎印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする

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今年7月に開かれるユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界遺産委員会で世界遺産登録を目指す「飛鳥・藤原の宮都」(奈良県)について、ユネスコの諮問機関イコモス(国際記念物遺跡会議)が、6月上旬にも登録が妥当かどうかの勧告をする。「飛鳥・藤原の宮都」世界遺産への登録は? 近く諮問機関が勧告世界遺産めざす「飛鳥・藤原の宮都」全19構成資産を写真つきで紹介 この「イコモス勧告」は、正式に登録の可否を審議する世界遺産委員会に大きな影響を与える。内容次第で事実上の登録が決まる可能性もある一方、逆に登録断念のきっかけになる場合もある。 勧告は4段階ある。登録の妥当性が高い順に「登録」「情報照会」「登録延期」「不登録」だ。「登録」「情報照会」の場合 このうち登録か情報照会だと、世界遺産委員会での正式登録に大きく近づく。 過去に登録勧告を受けたケースは多く、1990年代に登録された「姫路城」「厳島神社」などのほか、2021年の「北海道・北東北の縄文遺跡群」も構成する17遺跡すべてが認められた。 ただし、登録勧告であっても、構成資産の一部除外を求められたケースがあった。 13年に登録勧告だった「富士山」は、構成資産の一つ、富士山から45キロ離れた三保松原の除外を求められた。日本は改めて両者の強い関係性を訴え、世界遺産委員会では、三保松原も含む当初案通りの登録となった。 2番目の情報照会は「追加情報の提出を求めた上で次回以降の審議に回す」ということ。本来は3年以内に追加情報を提出して、再度イコモスの審査を受ける手順だが、近年はその年の世界遺産委員会で登録される例も多い。 24年に情報照会だった「佐渡島(さど)の金山」は、明治以降の史跡が多い地区の除外などの指摘に日本側が対応し、同年に登録された。「登録延期」「不登録」の場合 一方、登録延期や不登録の勧告だと、本番での登録は難しくなる。 登録延期は「より綿密な調査や推薦書の本質的な改定が必要」という指摘だ。推薦書を再提出し、新規案件と同様の手続きを受けることになる。 相当の手間がかかるため、出直すことが多いが、そのまま審議にかけて、逆転登録を狙う場合もある。 07年に延期勧告を受けた「石見銀山遺跡とその文化的景観」は、世界遺産委員会の委員国に日本側が直接説明し、理解した国が増えて登録された。一方、翌08年の「平泉」は、本番でも登録延期となった。3年後に構成資産を減らして再挑戦し、登録された。 「不登録」は「登録にふさわしくないもの」。委員会でも不登録と判断されると、例外的な場合を除き、再推薦はできない。 日本では過去に1度、不登録勧告を受けたことがある。13年の「武家の古都・鎌倉」だ。委員会への推薦を取り下げ、世界遺産登録はいまも実現していない。有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんこの記事を書いた人筒井次郎文化部|大阪駐在・歴史担当専門・関心分野世界遺産、京都・奈良、寺社・遺跡・文化財関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする