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西本願寺(京都市下京区)の静かな境内から、鳥の鳴き声がする。今年も小さな参拝客がやってきたようだ。 同寺の国宝・阿弥陀堂の屋根には一対の「獅子」がいる。その一方が口を開けており、その中にムクドリが巣を作った。 浄土真宗本願寺派宗務所統合企画室によると、10日ごろからヒナたちが姿を見せた。19日には、親鳥がエサを取りに飛び回り、ヒナが獅子の口からエサを求めて口を懸命に開ける姿が見られた。 昨年から、この場所で営巣しており、最初に発見した職員はヒナが挟まっているのかと思ったという。ほとんどの参拝客は気づかず、伝えると驚かれるそうだ。 昨年も巣立ちまで見守った同室職員は「ヒナの成長は思いの外早く、大きくなると獅子の口に収まらなくなる」と語る。今年も営巣したことについて「お気に入りの場所と思ってくれるのなら」と話し、今後も静かに見守っていきたいという。 日本野鳥の会京都支部広報部長の坂根勝美さんによると、繁殖は春夏の間で、子育ては約3週間。ムクドリは人の生活圏に生息し、樹洞や家屋の隙間などに営巣するという。西本願寺のヒナは遅くとも今月末ごろには巣立つとみられる。しばらくして同じ巣穴で2回目の繁殖が始まる場合もあるそうだ。 親鳥が新緑の木々やお堂の屋根を転々と飛び回る様子は微笑ましい。ヒナたちがお気に入りの場所から巣立つ日は近い。