人生は煮込み料理 綾戸智恵さんの「ええダシ出てる!」引き算の音楽聞き手・石川智也印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする

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つらい体験も苦い経験も修羅場もすべて人生の糧になり、あなたの味になる――そんな風に諭されても反発を感じるだけだが、この人にあっけらかんとした大阪弁で言われると、なぜか少し身に染みる。 ジャズシンガー綾戸智恵さんの半生は、山あり谷あり紆余(うよ)曲折だらけ。ただ当人は苦労自慢や老いの美化は大嫌い。それでも何とか聞き込んだ。いつものソウルフルなシャウトとはひと味違う、名歌手の滋味ある箴言(しんげん)を。離婚、不惑のデビュー、介護、息子の難病…… 今年リリースしたアルバムに「UMAMI」というタイトルをつけたんです。70年近く波瀾(はらん)万丈の人生を過ごしてきて、ジュワーッと醸したグルタミン酸みたいなうまみが、私からも少しは出てるんちゃうか、って。 振り返れば私の人生、奇麗なレシピ通りとはいかなかった。17歳で渡米して結婚したけど、32歳で離婚し帰国。女手一つで息子を育てるのに必死でした。クラブで歌っていたら業界の人の目に留まり、40歳でデビュー。「遅咲き」なんて言われたけど、べつに歌手を夢見ていたわけやなかったから、仕事が終わったら早う家に帰って晩ご飯つくらな、といつも思っていました。そしたらほどなく母が認知症に。 介護は言葉にできんほど大変…この記事は有料記事です。残り1399文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんこの記事を書いた人石川智也オピニオン編集部専門・関心分野リベラリズム、社会思想史、メディア学、ジャーナリズム論、原発関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする