ストーリー2026年7月31日 6時01分岡本進印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする
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酒蔵が焼けた福島県喜多方市の笹正宗(ささまさむね)酒造の火災から約2カ月。火の手から逃れた貯蔵タンクに、幸いに残っていた出荷前の純米酒が24、25の両日、計5千本の4合瓶に瓶詰めされた。 火災は6月1日にあり、国の登録有形文化財の蔵を含むほとんどの建物が焼けた。漏電の疑いがあるとみられている。 「酒を救ってくれませんか」。隣の会津坂下町にある曙(あけぼの)酒造の社長、鈴木孝市さん(42)が、飲み仲間でもある笹正宗の蔵元、岩田高太郎さん(42)、悠二郎さん(39)兄弟から頼まれたのは火災翌日だった。「焼け跡に酒が残っていることが奇跡」 貯蔵タンクが入った冷蔵施設は外壁が焦げていたものの、中は無事で、仕込んだ純米酒3600リットルが2本のタンクに入っていた。「空襲に遭ったような焼け跡に酒が残っていること自体が奇跡」と鈴木さんは思った。 喜多方市にある大和川酒造店の杜氏(とうじ)、佐藤哲野(てつや)さん(41)は高太郎さんと中学、高校が同じだった。地元の消防団員として、消火活動にあたった。瞬く間に燃え広がるなか、焼け落ちずに形を崩さずにいた建物に集中的に放水した。 それが冷蔵施設だった。「貯蔵庫とわかっていたわけではないが、結果的に放水で救われたのかもしれない」と佐藤さんは話す。焼け残った酒、火災4日後に運び出す 鈴木さんは、タンクに残った酒を「うちの蔵に運ぼう」と岩田さん兄弟に伝えた。空の貯蔵タンクに移し替え、曙酒造にトラックで運んだのは火災4日後。作業は、会津若松市の宮泉銘醸など若手の蔵元たちや近隣の酒販店主らが手伝った。 瓶詰めは、曙酒造の作業場で2日間続いた。8月初めに「笹正宗」のラベルをはり、8月半ばから、ふだん取引していた県内の特約店にまずは出荷する予定だ。 がれきの撤去などに追われてきた社長の悠二郎さんは「仲間の蔵元たちから励ましをもらい、やっとここまでたどり着けた。一日も早く蔵を再建させたい」と語った。有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする






