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7人制ラグビー女子の年間王者を決める国内シリーズ「太陽生命女子セブンズ」(朝日新聞社など後援)は、各国のトップ選手が集まる世界でも数少ない大会だ。けがで一度は夢の舞台から遠のいた選手にとっても、再び飛躍するきっかけの場所となっている。初戦が手術日に 自分が立つはずだったオリンピック(五輪)の舞台を、眺めることしかできなかった。 2024年7月。7人制ラグビー女子日本代表(サクラセブンズ)の須田倫代(みちよ)(23)は、大阪にある病院のベッドにいた。大会直前のオーストラリア合宿で左ひざを痛めた。前十字靱帯(じんたい)断裂と半月板の損傷だった。 ひざの手術日が、パリ五輪の初戦だった。 「もうラグビーはいいかな……」。不意にそんな思いがわき上がった。涙を流しながら仲間のプレーを見つめていた。「バズる」が正解になっていないか 記者支えた「笑わない男」の言葉 大阪府出身。親や兄がプレーしていた影響で、物心ついた時にラグビーを始めた。チーム全員で戦う感覚が楽しかった。 小学生の頃、7人制が五輪競技に採用された。 「五輪が目標になった。どうやって出るのかはわからなかったけど」 中学では男子に交じり、高校では京都成章の女子チームでプレーした。ポジションはSO。持ち味のステップや力強い加速は高校時代、仲間たちとの1対1で身につけた。 追手門学院大に進学し、1年生から太陽生命女子セブンズに出場。この大会で自信をつかんだ。結果はついてこなかったが、チームとして戦えた実感があった。すぐに代表に選ばれ、主力に定着していった。 最初の頃は世界との差を感じたが、代表の一員として国際大会を転戦するうちに慣れていった。ステップで地面に足が接地する時の角度や股関節を動かす意識にこだわると、突破が増え、トライに結びついた。 パリ五輪が視野に入り始めた矢先の24年春、左ひざの靱帯を痛めた。手術をすると五輪に間に合わないからと、リハビリをしてプレーを続けた。しかし、その後、オーストラリアでの再受傷につながった。 帰国の時、日本代表の兼松由香コーチ(現ヘッドコーチ)から「強くなって帰っておいで」と声をかけられた。 「いま考えるとありがたい言葉だったんですけど、その時はけがのことで頭がいっぱいだったので……」。慰めの言葉も、素直に受け取れなかった。 沈んでいた心を明るくしてくれたのは周囲の仲間だった。 代表活動ばかりで、学生生活をあまり送れていなかった。友達と食事に行ったり、ゼミに出たり。ラグビーから離れた日々を送ることで、徐々に気持ちが軽くなった。 一方で、日本代表が頭から離れたことはなかった。パリ五輪後、世界を転戦するワールドシリーズで上位に入るなど活躍する仲間たちの姿に刺激を受けた。大学を卒業した須田は国内トップチームの一つ、三重パールズへ加入。「あの舞台に戻りたい」と再出発を切った。 25年6月の太陽生命女子セブンズ第1戦で、約11カ月ぶりに実戦復帰。各国の代表選手が集まる大会でプレーするうちに、海外選手を相手にしても、「苦手意識がなくなった」。25年末には代表に復帰。ワールドシリーズで過去最高となる3位入りに貢献した。 ラグビーから距離を置こうと思ったのは、もう過去のことだ。視線はすでに、28年のロサンゼルス五輪に向けられている。 「出場するだけでなくて、メダル獲得を目標にしたい。そのために、個人としてもチームとしても成長したい」 まずは太陽生命女子セブンズで、自分をさらに磨き上げる。ナナイロが念願の初優勝 総合4連覇を狙うながとブルーエンジェルスと、2季連続準優勝の三重パールズ。太陽生命女子セブンズの覇権を争ってきた2強に、割って入るチームが現れた。ナナイロプリズム福岡だ。 12日にあった第2戦の栃木大会。決勝はナナイロとながとの対決となった。前半は0―12とリードを許したが、そこからナナイロは粘りを見せた。 後半3分にレアピ・ウルニサウがトライ。終了間際にはゴール前で中村知春が相手防御の裏に蹴り、自らトライゾーンで抑え、永田花菜がゴールを決めて同点に追いついた。延長戦でも再び中村がトライ。7人制女子代表を長く支えたベテランの活躍で、チームとして初優勝を果たした。 これまで決勝までたどり着けても、優勝は遠かった。その道のりを振り返り、中村は時折声を詰まらせつつ「最後の最後に勝たないといけないから(まだ泣かない)。優勝はチームにとって大きな自信になる」と言った。 太陽生命女子セブンズは、25年に大会方式が変わった。第1~3戦の成績をポイント化し、その合計でグランドファイナルのトーナメントの組み合わせが決まる。ポイントを積み上げつつ、一発勝負での勝負強さも問われる形だ。 また、グランドファイナルでは、第1~3戦のポイント合計が下位の4チームと、チャレンジャートーナメント(5月と6月に開催)の上位4チームが入れ替え戦を戦う。注目は24年に誕生したばかりの早稲田大女子部だ。元女子日本代表の横尾千里ヘッドコーチの下、スピード昇格の実現が懸かる。今後の日程第3戦・北九州大会7月25日、26日ミクニワールドスタジアム北九州グランドファイナル札幌大会8月9日北海道・大和ハウスプレミストドーム






