ストーリー伊藤未来 植松敬印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする
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なぜ泣いているのかわからず、子どものことが怖い――。児童相談所に助けを求めた母親(35)はその夜、長男を浴槽の水の中に沈めた。自ら110番通報し、警察官が現場に駆けつけると、母親は動かなくなった長男を抱いていた。 千葉地裁で開かれた裁判員裁判の初公判。半袖の白いブラウスに黒色のズボン姿で出廷した被告は「(間違い)ないです」と起訴内容を認めた。 被告は2025年5月のある日の夜から翌日未明にかけて、自宅浴室で、生後4カ月の長男を浴槽の水の中にうつぶせの状態で押さえて沈め、溺死(できし)させたとして殺人罪に問われた。 弁護人「そのとき長男を見ていましたか」 被告「見られなかったです」 弁護人「申し訳ない気持ちがありましたか」 被告「ごめんね、ごめんねって思って」 弁護人「なぜ浴槽に入れる方法を」 被告「すごく自分勝手だったと思います。苦しむ顔が、見たくなかったです」 うつろな表情で法廷に立った被告は、長男について尋ねられると、時折声を震わせた。 なぜ、長男を殺害するほど追い詰められてしまったのか。検察側、弁護側の冒頭陳述や被告人質問などから経緯をたどる。泣きやまない長男、眠れない日々 被告は大学卒業後に会社員になり、2018年に二つ年上の夫と結婚した。 事件当時、被告は育児休暇中。夫と、4歳になった長女、生後4カ月の長男と4人暮らしだった。 長男が生まれて2カ月目に入ったころ、被告は長男が泣きやまないことに悩み始めた。夜は眠れず、睡眠時間は断続的に2~3時間ほどで、食欲も落ちた。毎日がパニックで、長男が泣くのが怖いと感じていたという。 弁護人「夫には相談したのですか」 被告「はい」 弁護人「『体が疲れていないから走った方がいい』と言われましたか」 被告「はい」 弁護人「その答えを聞いてどう考えましたか」 被告「そうじゃないんじゃないかって」 弁護人「眠れない、食べられない、楽しめない。そのうちどんな考えが芽生えてきましたか」 被告「死にたい」 最初は自分だけが死ぬことを考えていたが、長男を「置いていけない」という気持ちから少しずつ心中が頭をよぎるようになった。 あの日の朝。出勤しようとし…この記事は有料記事です。残り2765文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません
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この記事を書いた人伊藤未来千葉総局|千葉県警担当専門・関心分野社会福祉、医療、教育関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする






