コラム・寄稿「出し抜きたいだけやろ」で気づいたエゴ 事件取材との向き合い方2026年7月11日 11時00分さいたま総局・原野百々恵 2024年入社 事件・司法担当印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする
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初任地の神戸総局では2年間、事件や事故の取材を担当した。 特ダネの「抜き抜かれ」が何なのかも分からなかった着任2週間目、前年度におきた事故の続報で他社に抜かれた。上司に「あなたの持ち場で抜かれたらあなたのせい。責任をもって」と言われた。 「抜かれ」の恐怖心で取材をしていると、取材相手の警察官にこう言われた。 「結局、他社を出し抜きたいだけやろ」「なんのために書くんや、それ」 頭を殴られたような気持ちになった。 読者にいち早く情報を伝えることは大切だ。ただ、少しでも社会を良くしたくて記者になったのに、人の生き死にを扱う事件や事故を、そんな気持ちで取材している。なんて自分本位なのだろうか。取材相手や読者にも伝わるはずだ。 それからは「どうすれば同じ思いをする人がいなくなるか」「なぜ事件が起きたのか」との思いを胸に取材を続けた。 異動が決まり、同じ警察官から声をかけられた。「その姿勢、忘れんでな」 記者は一日の大半を取材先で過ごす。落ちこんだ時は、警察官に限らず社会を良くしたいという思いを持つ取材先に何度も救われた。記者の基本を教えてくれる恩師と、神戸ではいっぱい出会えた。 さいたま総局に着任して早3カ月。新しい土地でのゼロからのスタートに、神戸の着任時とは異なった緊張感やふがいなさを自分に感じる日々だ。 それでも取材相手に出会うと、ここへ来て良かったと毎日思う。初心を忘れず、さいたまでもたくさんの恩師に出会えたらいいなと思う。有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません
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この記事を書いた人原野百々恵さいたま総局|事件・司法担当専門・関心分野事件・事故、性暴力、虐待、人種差別、宗教関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする













