【社説】同じ過ち生まぬ契機に 旧統一教会の解散命令が確定2026年6月30日 19時01分印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするこの社説のポイント●世界平和統一家庭連合(旧統一教会)への解散命令が確定した●幅広い被害救済とともに、政治との関係の徹底解明は欠かせない●社会は問題への関心を持ち続け、過ちを繰り返さないための取り組みを進めたい
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世界平和統一家庭連合(旧統一教会)への解散命令が確定した。幅広い被害救済を進めるとともに、政治との関係の解明を忘れてはならない。 最高裁の決定は、教団の半世紀にわたる献金勧誘が極めて多額の財産的、精神的損害を生み、公共の福祉を著しく害したと指摘。勧誘が今後も続く可能性は高く、解散するほかないと結論づけた。 教団の清算手続きは高裁決定を受け既に始まっており、1カ月で61人が被害を清算人に申し出た。受付期間は1年間。一人の被害者も取り残さないよう周知を徹底したい。 教団は献金を受けても領収書を渡すことはほぼなかったといい、被害の証明が困難な事例が相次ぐ可能性がある。被害申告をためらう人への柔軟な対応は欠かせない。 解散命令で法人格は失っても、教団は宗教活動を続けられる。別の団体を利用するなどして不当な献金勧誘を再開することがないか、厳しい監視が必要だ。 違法行為が長年放置されてきたことと、政治と教団との蜜月とは軌を一にしている。 発祥地の韓国では、教団と政界との癒着疑惑を調べるため検察と警察の合同捜査本部が発足。前大統領の妻らに金品を贈ったなどとして韓鶴子(ハンハクチャ)総裁が起訴され、公判中だ。 他方、国内では教団と政権との関係は未解明だ。自民党は議員の自己申告に基づく「点検」にとどめ、その後も本人が「関係を絶つ」とすれば国政選挙で公認してきた。いまも、皇室問題での男系男子へのこだわりをはじめ、教団系メディアの主張と自民党の政策は似通って映る。 多額の資金や動員力で政策決定や選挙活動に影響はなかったか。第三者を含めた徹底調査で総括しなければ、同様の問題は再燃しかねない。 信教の自由も論点になった。最高裁は「宗教法人の法人格を失わせるにとどまる」として、解散命令は信教の自由を侵害しないと判断した。 ただ、一連の手続きは非公開で進められてきた。他の宗教法人の萎縮や政府の不当な介入を今後招かないため、透明性の確保が必須だ。 司法判断が確定したいま、解散請求を是とした政府の審議会の議論を公開するとともに、裁判所の審理過程についても、少なくとも国と教団が合意できる資料や経過の公表を検討すべきではないか。 教団をめぐっては、元首相銃撃という許されない暴力が起きるまで事態が動かなかった。政府や社会、報道機関は問題関心を持ち続け、同じ過ちを繰り返さぬための取り組みを止めてはならない。旧統一教会の解散命令が確定 高額献金めぐり最高裁「やむを得ない」「社説digital」は、朝日新聞朝刊に掲載する社説をいち早くお届けします。有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません






