ストーリー第2回「お代は後でいい」予約なしで満席に 航空会社長が震災翌日に決断増山祐史印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする

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「空港が大変なことになっているから、早くきて」 震災から一夜明けた2011年3月12日早朝、山新観光(山形市)の責任者代理だった庄司忠広は、連絡を受けて急いで山形空港に向かっていた。 同社は空港で飛行機の誘導や、受け付けなど地上業務を担う。停電で、非常用電源に切り替わっていた空港には、出張中のビジネス客や避難者が詰めかけてきた。滑走路の状態や無線の環境から、何とか飛行機を受け入れることはできそうだった。 ほどなく、日本航空(JAL)グループで国内路線を担う「ジェイエア」(大阪)から、臨時便や定期便を大阪(伊丹)空港から飛ばすと連絡があった。チェックインシステムがダウン しかし、大きな問題があった。地震の影響でネット回線がつながらず、チェックインシステムがダウンしていた。チェックインでは本来、乗客の「予約情報」と、運賃が支払われ、発券したことを記録する「発券情報」の二つが必要となる。 このうち予約情報については、ドコモの携帯電話のインターネット接続サービス「iモード」が辛うじてつながり、職員が持つ携帯型の端末や、前日の予約状況を印刷した資料で確認できた。 問題は発券情報だった。入金を確認できず、「運賃を払った」と申告してくる人が、発券された相手と同一かを確認するすべもなく、搭乗者が予約者を超えたり、不特定多数の人を乗せたりするおそれがある。 庄司の上司は「安全を確認できないまま飛行機は飛ばせない。申し訳ないけど、臨時便や定期便を空(から)で返させるしかない」とジェイエア側に伝えた。 これに強く反応したのが、ジェイエアの社長(当時)の山村毅だった。執行役員でもあるJALが経営破綻(はたん)した経験から、「恩返しをしたい」と臨時便の運航を決めていた。 「ルールがあるのは分かる。ただ、ルール通りにしていい時と、ルールをオーバーライドするべき時があるでしょう。震災で困っているお客様を見過ごせば、私たちの存在意義がなくなってしまう」山形空港へ向かった臨時便に立ちはだかるチェックインシステムの壁。ジェイエアの山村毅社長は異例の決断を下しました。その先に、15年経った今でも「忘れられない」という出来事が待っていました。異例の後払い 「ウソをつこうと思えばいくらでも」 そして、ある異例の決断を伝…この記事は有料記事です。残り1255文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

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この記事を書いた人増山祐史東京社会部|国土交通省担当専門・関心分野運輸行政、事件事故、独占禁止法、スポーツ関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする