王将事件、工藤会系組幹部の被告に無期懲役を求刑「組織的、計画的」2026年6月29日 11時52分(2026年6月29日 19時43分更新)佐藤道隆 仙道洸印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする
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「餃子(ギョーザ)の王将」を展開する「王将フードサービス」(京都市山科区)の社長だった大東隆行さん(当時72)を射殺したとして、殺人と銃刀法違反の罪に問われた特定危険指定暴力団・工藤会系組幹部、田中幸雄被告(59)の裁判が29日、京都地裁(西川篤志裁判長)であった。検察側は無期懲役を求刑し、弁護側は無罪を主張した。 起訴状によると、田中被告は2013年12月19日、本社前駐車場で大東さんを拳銃で撃って殺害したとされる。京都府警が事件直後に現場近くでたばこの吸い殻2本を採集し、吸い殻の唾液(だえき)のDNA型が田中被告のものと一致したことなどから逮捕、起訴された。 これまでに計10回の公判が開かれ、証人尋問などが行われてきた。田中被告が殺害したと明らかに示す直接証拠はなく、検察側は警察官や王将の従業員など30人以上を証人に立てた。たばこの吸い殻や犯行に関与したとされる車両など、間接的な証拠から犯行を主張してきた。 検察側は論告で、事前に京都に来て犯行を周到に準備していたことや、住宅密集地域で拳銃を発射したのは「組織的、計画的で、周辺住民を危険にさらす悪質な犯行」と指摘。実行犯として犯行に及んだのは、人命軽視の姿勢が甚だしく、反省の姿勢も一切見られないと批判した。 また、被告と大東さんに直接の面識や人的関係はうかがわれないと言及。「被告が単独で完遂したのではなく、背景に犯罪実現を欲する首謀者の存在がうかがわれることを考慮しても、法律が許容する上限近くの刑を選択することが相当」などと説明した。 その後、大東さんの遺族ら被害者参加人の意見陳述を、代理人が代読した。大東さんは遺族にとって「大切な夫で、頼れる父親で、大好きなおじいちゃんだった」といい、社長の仕事が落ち着いてから過ごすはずだった家族の時間が奪われ、「厳罰を望むのは当然だ」と述べた。被告「傍聴席の一人ひとりに犯人ではないと伝えたい」 一方、弁護側は弁論で、検察側が提示したたばこの吸い殻などの証拠が被告の犯行を裏付けるものではないと主張した。「被告が犯人でないなら説明できない、というところまで証明されていない。田中さんは無罪です」と強調した。 まず、2本のたばこの吸い殻について、その場で吸っていたら存在する「白い灰」が現場から発見されていないと指摘。当時の従業員の「吸い殻が前日に落ちていなかった」という証言も信用できないとし、田中幸雄被告ではない者がたばこを持ち込み、事件発生の前日よりも前からたばこが置かれていた可能性があるとした。 また、事件に関わったと検察側がみる軽乗用車の防犯カメラ映像について、画像が粗く車の特徴を捉えられていないなどと指摘。防犯カメラに映った車と「被告が幼なじみから借りた車」は同一とする検察側の主張について、同一ではないと反論した。 弁論後、裁判長から「何か言いたいことはありますか」と促された田中被告。「私は本当に犯人ではありません。傍聴席にいる一人ひとりの肩をつかんで犯人ではありませんと伝えてまいりたい」と訴えた。 昨年11月に始まった裁判はこの日で結審した。判決の言い渡しは10月16日に予定されている。有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません







