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サッカー・ワールドカップ(W杯)が熱狂的な人気を集める中国では、今大会も全試合が地上波で無料放送されている。ただ、テレビ局が国際サッカー連盟(FIFA)側に支払う放映権料は以前より下がったとされる。交渉力を高める中国側の仕組みに加え、W杯出場を逃した代表チームが皮肉な作用を生んだともささやかれる。 米国のトランプ大統領が9年ぶりに中国を訪れ、習近平(シーチンピン)国家主席との米中首脳会談に臨んでいた5月中旬。同じ北京で、中国のスポーツファンが固唾(かたず)をのんで見守ったもう一つの交渉が、最終段階を迎えていた。2024年9月5日、埼玉スタジアムであった2026年ワールドカップ(W杯)アジア最終予選でスタンドから中国代表に声援を送る人たち=新華社 結果が明らかになったのは5月15日、トランプ氏が北京を去ったころだった。国営中央テレビが、FIFA側との交渉に合意し、2026年と30年のW杯の国内放映権を獲得したと発表したのだ。 慣例通りなら、中央テレビは大会の全試合を、複数のチャンネルを使いながら地上波で中継する。無料で全試合を観戦できる環境が、中国の視聴者がことさらW杯にのめり込む構図を生んできた。 ただ、今年の交渉では、異例と言える状況が二つ、重なった。いつもと違う、二つの異変 一つは、決着の遅さだ。交渉…