インタビュー文化の発展も炎上も、言語がもたらす功罪 山階賞・岡ノ谷さんに聞く聞き手・桜井林太郎印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする

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言語の起源㊦ 人間の言語は「発声学習」「規則創発」「社会協調」の三つの能力が私たちにたまたまバランスよく重なったからではないかという論文が米科学誌サイエンスに発表された。私たち現生人類(ホモ・サピエンス)に近い旧人のネアンデルタール人はどうだったのか。言語のおかげで私たちは生活を高度に発展させられたが、生物にとって最高の能力なのか。論文の著者の一人、帝京大学の岡ノ谷一夫特任教授に聞いた。 ――絶滅したネアンデルタール人はホモ・サピエンスと交雑したことが知られていますが、彼らは言語を持っていたのでしょうか。 おおざっぱな音と意味の対応関係を持っていて、我々の言語の一部の要素はあったと思う。音声やジェスチャーを用いた高度なコミュニケーションをしていた可能性は高い。ただし、私たちと同じように、恣意(しい)的な象徴を柔軟に組み合わせる言語を持っていたかについては慎重に考える必要がある。違いがあったとすれば、「象徴性」の扱い方にあったのではないかと考えている。 ――象徴性とは? 洞窟壁画や手形、装飾品などから、古人類にも象徴的行動があった可能性は議論されている。ただし、ホモ・サピエンスでは、恣意的な記号を組み合わせ、集団内で共有する能力がより発達していた可能性がある。言語の特徴は、形や音と意味の結びつきが固定的なものにとどまらず、シンボルとして柔軟に使える点にある。――社会性はいかがですか。 大きな違いがあると思う。ネアンデルタール人は、ホモ・サピエンスに比べて集団規模や集団間ネットワークが小さかった可能性がある。その場合、記号や規則が大きな集団内で共有され、世代を越えて複雑化していく条件は、ホモ・サピエンスとは異なっていたかもしれない。その意味で、我々とは違う質のコミュニケーションをしていたのではないか。洞窟壁画や社会規模の違いからも、象徴を組み合わせる能力や社会協調の深さに差があった可能性が指摘されている。認知革命説は? ――ホモ・サピエンスの脳神…この記事は有料記事です。残り1873文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんこの記事を書いた人桜井林太郎くらし科学医療部専門・関心分野環境・エネルギー、先端技術、医療、科学技術政策関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする