薬が効きにくい耐性菌、身近にある危機 百日せきや結膜炎で広がり松本千聖印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする

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既存の抗菌薬が効きにくい「薬剤耐性菌」が広がっている。世界では、耐性菌が直接の死因となった人は114万人、関連死も含めると471万人に上ると推計されている。日本でも2種類の耐性菌だけで1万人の死者がいるとされ、身近なところでも問題となっている。 2025年、日本国内では「百日せき」が全国的に流行した。百日せき菌が引き起こす感染症で、長引くせきが特徴だ。コロナ禍では、ほとんど流行していなかったが、25年は9万人近くの報告があり、現在の調査方法となった18年以降で最多となった。 流行の中心となったのは、標準的な治療薬として使われる「マクロライド系」の抗菌薬が効かないタイプ(マクロライド耐性)だ。ワクチン接種前の赤ちゃんが耐性菌に感染し、重症化するケースが相次ぎ、亡くなる子もいた。生後1カ月の娘、百日せき耐性菌で人工呼吸器 母が感じた命の危機インバウンド増 海外から持ち込まれた耐性菌 マクロライド耐性の百日せき菌は、どれくらい広がっていたのか。25年7~9月、厚生労働省研究班が全国41の地方衛生研究所での百日せき患者の百日せき菌の検査結果を調べたところ、全371例のうちマクロライド耐性をもつ菌の検出割合は79.5%で、大部分を占めていた。 国立健康危機管理研究機構(JIHS)国立感染症研究所の大塚菜緒室長によると、マクロライド耐性をもつ百日せき菌の国内での報告は、18年は2例のみで、その後5年間は報告されていなかったという。25年に流行の中心となった菌の解析では、18年と同じ中国由来のタイプが示唆されたが、遺伝的系統は異なっていた。近年のインバウンド(訪日外国人客)の増加にともない、中国やその周辺国から持ち込まれた可能性があるという。 大塚さんは「海外から持ち込まれた耐性菌は、その後、国内でさらに変異を続けているとみられる。今後の動向を調べていく」と話す。耐性菌の広がり 抗菌薬の使われ方と関係 耐性菌はなぜ生まれ、広がっていくのか。深い関係があるのが、抗菌薬の使われ方だ。 人の体の中で抗菌薬にさらさ…この記事は有料記事です。残り1342文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんこの記事を書いた人松本千聖くらし科学医療部専門・関心分野医療、子どもや女性の健康、子育て関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする