インタビュー聞き手・吉田貴文 池田伸壹印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする

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選択的夫婦別姓の導入が国に答申されてから30年。この間、幾度となく法案化されても政権交代が起きても実現せぬまま、いま女性初の首相は旧姓使用の法制化を進めようとしている。推進に挑み続けてきた先駆者、円より子さんに聞いた。なぜ実現できぬのか、これは「見果てぬ夢」なのか。 法制審議会が選択的夫婦別姓の導入を答申した翌1997年、議員立法の法案を提出した一人が、当時参院議員だった円より子さんでした。それから約30年間、どのように実現に挑み続け、肉薄したり突き放されたりしてきたのか。背景にある政治構造を、東海大学教授の辻由希さんが解説するインタビューも掲載しています。 ――高市早苗首相が、夫婦同姓の維持を前提に、結婚後の旧姓使用を法制化する法案の国会提出をめざしています。選択的夫婦別姓の導入にとっては逆風ですね。 「世の女性たちと同じように、高市さんも女性を取り巻く様々な壁に直面してきたでしょう。それでも諦めず、日本で初めての女性首相になり、衆院解散・総選挙という勝負に打って出て圧勝した。胆力のある強い人だと思います」 「裏を返せば、彼女も理不尽な壁から受ける女性の痛みを知っているはず。壁を突き崩す政策に期待したのですが、選択的夫婦別姓には真っ向から反対で、私を支持してきた女性の中には、女性首相誕生を喜んだのと同じぐらい失望している人が少なくありません」 ――一つ前の石破茂政権では、選択的夫婦別姓法案が衆院で28年ぶりに審議されたのですが……。 「1991年に法務大臣が夫婦同姓の見直しを法制審議会に諮問し、96年に選択的別姓の導入が答申されました。政府は法案の国会提出を目指しましたが、自民党の反対で断念。97年に野党が同趣旨の法案を提出し、一部が審議されていました。それ以来でしたね」 ――実現の機運が高まったと。 「自民党の政治家に別姓賛成の人が増えてきたり、既婚女性の就業率が高まって経済界が別姓の必要性を認識するようになったり、連合会長に芳野友子さんがなったりで、選択的夫婦別姓に追い風が吹いていたのは確かです」 ――円さんも動きましたね。 「石破政権のもとで行われた2024年衆院選で、選挙公約で『選択的夫婦別姓制度の導入』を掲げていた国民民主党から当選して14年ぶりに国政に復帰し、法務委員会の理事になりました。長年追求してきた夫婦別姓をやれ、という天の声だと思いました」 「当選後、党の男女共同参画推進本部長として法案策定に着手しました。でも始めてみると、党内にも反対派や慎重派が多い。『公約ですから』と説得し、25年の国会に何とか法案を出せました。立憲民主党も選択的夫婦別姓の法案を、日本維新の会は旧姓の通称使用を法制化する法案を出し、5月に委員会で審議入りしました」成立も可能ではないかと… ――法案成立の見通しはあったのですか。 「賛否が割れる自民ですが…この記事は有料記事です。残り3269文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする