「イーロン・マスクから連絡」 ギフトカード購入の客を追いかけると2026年5月21日 13時00分宮坂奈津印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする

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夕方のシフトに入って2時間ほど経ったころだった。 「ロボットって、売れるかな」 4月28日、大阪市旭区のセブン―イレブン大阪中宮1丁目店でレジのアルバイトに入っていた大学生の三村奨さん(18)は、ギフトカードを手にやってきた60代くらいの男性に声をかけられ、違和感を持った。「わかりませんね」。とっさに答えた。 ギフトカードは買い手が金額を選べるタイプだった。2万円分を購入するという。 レジを通すやりとりをしながら、男性は続けた。 「イーロン・マスクから連絡が来てて」 宇宙やAI事業など、今をときめく米国の起業家だ。 「あやしい」。男性はカードを持って店を出たが、違和感は消えなかった。 事務所にいたオーナーの渡辺夏芽(なつめ)さん(53)に伝えた。「それは完全にあやしいな」。そう言われ、急いで追いかけた。店の隣の警察署の前で男性を見つけた。 「詐欺かもしれませんよ」。そう伝えると、男性がスマートフォンを見せてきた。 チャットアプリのトーク画面には「Elon Musk」とあった。アイコンの写真も、マスク氏本人の顔のように見えた。やりとりは英語だった。 聞けば、まだ世の中に出ていない最新のロボットを渡すかわりに、ギフトカードの番号を送信するように指示されたのだという。 なんとか立ち去らないように会話を続けていると、心配になった渡辺さんが追いかけてきた。 納得していない男性とのやりとりを渡辺さんに引き継ぎ、店に戻った。 大阪府警旭署は20日、特殊詐欺の被害を防いだとして、2人に感謝状を贈った。 男性への対応を引き継いだ渡辺さんは、目の前の旭署に行きましょうと説得。署で詐欺の可能性が高いと言われた男性は、ギフトカードを返品したという。 旭署によると、チャットアプリなどでギフトカードの番号を送信するよう要求する詐欺の前例は多いという。 三村さんは、店や警察に普段から気をつけるように言われていたことから、すぐにあやしいと感じたと振り返る。 「正直、追いかけるのはめっちゃこわかった。でも、勇気を出してよかったです」有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんこの記事を書いた人宮坂奈津ネットワーク報道本部専門・関心分野民主主義、北欧関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする