インタビュー世界の軍拡と核戦争のリスク、「前例のない危機」 米識者が警鐘聞き手=編集委員・園田耕司印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする
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戦争が相次ぐ中、各国が軍拡を競い合う世界的な「再軍備時代」が到来した。世界最大の軍事大国・米国の国防予算のあり方をめぐって強く警鐘を鳴らし続ける米クインシー研究所のウィリアム・ハータング上級研究員に、軍拡のもたらすリスクについて聞いた。 ――トランプ米政権は2027会計年度の国防費について前年度比4割増の1.5兆ドル(約239兆円)を要求した。 この金額は、第2次世界大戦を除けば、前例のない金額です。多くは野心的なミサイル防衛計画や核兵器に浪費されています。今の米国に仮に戦略と呼べるものがあるとすれば「軍事介入主義」でしょう。トランプ米大統領はイランへの軍事作戦について指導者を交代させれば終わりだと思っていたのでしょうが、実際には地域全体を巻き込む戦争を生み出し、それに対応する準備が出来ていませんでした。 米軍の兵器在庫がミサイル使用などで枯渇しているのは事実だと思います。迎撃ミサイルにしても1発200万~1200万ドルするなど、兵器は非常に高価で複雑な製品であるため、短期間で補充できません。こうした問題に直面したトランプ政権は「より合理的な戦略を持とう」ではなく、「高性能な精密兵器の生産能力を4倍にしよう」と決めたわけです。ただ、新しい工場や労働者が必要で、実現には何年もかかるでしょう。再軍備時代が到来 世界の軍事費急増、忍び寄る「軍事ケインズ主義」政府・軍と軍需産業の関係、ワシントンの「回転ドア」とは ――あなたは政府・軍と軍需産業との密接な関係性を指摘してきた。 三つ星と四つ星階級の米軍高官の退役後について過去5年間を対象に我々が調べたところ、約80%が軍需産業の職に就いたことが分かりました。コンサルタントや取締役、新技術に投資するベンチャーキャピタルのアドバイザーなどとしてです。 例えば、米最大手の防衛企業の取締役会メンバーになれば、年4回の取締役会に出席するだけで20万~30万ドルが支払われます。これは、軍高官として1年間働いて得るよりも多い金額です。ワシントンでは、多くの人々がこうした「回転ドア」を通っているのが実態です。 ――日本でも、政府は17の…この記事は有料記事です。残り1474文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんこの記事を書いた人園田耕司編集委員|安全保障専門・関心分野外交・安全保障、日本政治、米国政治、国際政治関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする











