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松谷創一郎(ライター)×佐野亜裕美(ドラマプロデューサー) 選挙のリアルと理想を描き話題を集めた今春のドラマ「銀河の一票」(関西テレビ/フジ系)。手がけたプロデューサーの佐野亜裕美さんは「エルピス 希望、あるいは災い」(同、2022年)に代表される社会派エンターテインメントの作り手として知られます。放送から配信への構造変化を読み解いてきたライターの松谷創一郎さんが対談で問うたのは、「なぜ地上波なのですか?」。配信の利点を認めつつ、テレビにこだわるわけを佐野さんが語りました。言論サイトRe:Ronはこちら■アメリカで見た親子の政治会話、驚いたことに驚かれた 【松谷創一郎】 なぜ今、選挙を題材にしようとしたのか。まずそこから聞かせてください。 【佐野亜裕美】 2020年に米ロサンゼルスに留学した時のことです。ドイツ系移民のシングルマザーの家にホームステイしていました。夕食後のいわゆるゴールデンタイムに、トランプ大統領の演説を彼女の息子2人と一緒に見ていたわけですが、1日のなかで最もリラックスするような時間帯に親子の間で政治談議が始まったことに驚きました。 翌日の朝食時にお母さんにそのことを伝えると、私が驚いていることに驚かれました。「政治は大きく生活や人生を変えるもの。普通に政治の話をしない方がおかしい」と。 民主党がいいか、共和党がいいかという話題すら、「ご飯が好きか、パンが好きか」みたいに話ができる。ポジティブだなと思いました。生活と地続きの場に、政治というものがある。そう思ったのが、きっかけです。 【松谷】 政治と生活が地続きなのは当然のはずです。なのに、日本では切り離されている感覚がありますよね。 【佐野】 政治家がまず身の回りにいないし、政治活動を手伝うみたいな人もいない。普通に暮らしていると、政治家やその関係者と一切関わらず、一生を終えていく人のほうが多いでしょう? アメリカだと、大学の活動とかでもそうしたことが普通にあったりする。自身の経験を振り返るとそういうことがなかった。そういう自戒や反省も込めています。 だから、選挙の投票率が上がってほしいと強く思うんです。投票率を0.1%上げることってすごい大変でしょう。「銀河の一票」を見たことで、「選挙に行ってみようかな」と1人でも思ってもらえたら、このドラマをやった意味はある。 【松谷】 リアルな政治を地上波で扱うことにはハードルがあるように想像します。冤罪(えんざい)とメディアを生々しく描いた前作「エルピス」の放送時、佐野さんのSNS投稿を見ていましたが、緊張感が漂っていたように感じました。内容的に、気にかけたことはありましたか。 【佐野】 最初に脚本を作っていたときは、ハードルを感じていなかったですけど、制作に入って、実際のニュース映像を使おうとしたときに「こんなに大変なのか」と思ったことがありました。アメリカのドラマだと普通のことなので、そんなになのか、と。映像の権利関係の話ではありますが、カンテレ(関西テレビの愛称)がキー局でなくて元素材をもっていないので借りなくてはいけない。その手配や許可どりをする際に、政治や政治家についてはあまり触れてくれるなってことなのかな、と感じた瞬間はありました。 完成してから、「よくこんなドラマ作りましたね」とインタビューで言われることがありましたが、実は全く気にせず作りました。だから、「どの辺がそう思ったのですか」と聞き返していたんですけど。■「地上波でなければやらない」 【松谷】 政治ドラマを地上波でやる意味をどう考えていますか。 【佐野】 少なくとも今は…







