インタビュー談志、雲助ら達人の一席を永遠に 落語の名演を音で伝える仕事人西本ゆか印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする
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落語家が精魂込めて語った一席も、聴いた瞬間に消えていくのがライブの宿命。その名演を「寄席の特等席で聴く臨場感」で残すのが、落語録音技師の仕事です。「高座を録(と)ってもらうならこの人」と落語界で絶大な信頼を集める草柳俊一さん(73)は、噺家(はなしか)から敬意を込めて「ヘンタイ」と称されるほどの落語好き。6月に急逝した蜃気楼(しんきろう)龍玉さんの最後の録音、病で声を失った故立川談志さんへの思い――。たっぷり語ってくれました。4本のマイクで最高の音を 「相棒」は1960年発売のドイツ・ノイマン社製、真空管コンデンサーマイクの「U67」。この伝説的名機を噺家(はなしか)が座る座布団前のセンターに据え、出ばやしの三味線に1本、さらに舞台の両サイドに1本ずつ。 「ライブ『以上』に臨場感ある音に仕上げなきゃ、録音屋が残す意味がない。このマイク4本が、最高の音で落語を後世に残すため、僕が考え抜いた黄金比です」 6月初旬の東京・人形町、三遊亭萬橘(まんきつ)独演会「四季の萬会」。録音準備が進む舞台に、萬橘さんが「取材かい?」と、にやにや顔で現れた。 「ついでにお前さんを売り込んでやってんだよ」「草柳さんを友達にしなきゃいけなくなったら終わりだよ!」。丁々発止のやり合いはキツいが、表情は柔らか。信頼し合い認め合う、二十年来の「同志」なのだ。 何の同志かって? それは落語を愛し、名作名演を末永く後世に残すこと。「お客様から頂いた古いオープンリールのテープを渡すとね、いつどこで誰がやったどんな噺か、ものの数日で解明し、良音に整えてデジタルで保存してくれる」と萬橘さん。 「長年、生の噺家の声を聴いて培ってきた知識もあるだろうが、やっぱり、とことん好きってことだよねえ。もう、ヘンタイの域ですよ、マトモな人間のやることじゃありませんよっ」 ほめる言葉を立ち聞く「同志…この記事は有料記事です。残り4150文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません
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