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自民党と日本維新の会が「副首都構想」の関連法案の成立を目指している。維新は宿願の大阪都構想と関連づけながら、大阪の「副首都」指定をねらっている。 自民と維新の連立政権のもとで急きょ浮上した副首都構想に対し、日本では長年にわたり、「首都機能移転」の議論があった。 1990年代に国の審議会専門委員として移転先候補地の選定に関わった戸所隆・高崎経済大学名誉教授(78)に、駆け足で進む副首都構想への受け止めや、東京一極集中の改善に向けた提言を聞いた。――国会の審議をどう見ますか。 連立を求めた自民党と日本維新の会の思惑によって、国民的な議論を経ないまま、ふってわいたような法案が出てきたという印象を抱いています。 法案を見ましたが、副首都の位置づけや機能に加え、東京との関係も明らかではありません。 国の形を変える改革なのに、理念もグランドデザインも感じられないのです。防災目的をかかげ、経済発展をうたう 法案の論理に矛盾――法案は、副首都を定める目的として、「大規模災害に備えて、国家社会機能の継続性が確保された国土の形成を図る」ことをうたっています。 かつての首都機能移転の議論も、1995年の阪神大震災を受け、一気に国民の関心が高まりました。防災面から首都のあり方を考える必要性に異論はありません。 しかし、今回の法案では、第1条で大災害への備えという目的がうたわれた後、唐突に「多極分散型経済圏の形成」という別のねらいが語られます。 さらに、副首都の整備で重視すべきこととして、「副首都の区域内の産業競争力の強化、経済活動の拠点形成」が挙げられます。 防災を目的に掲げながら、実際には地域開発の話になっており、法案として問題を感じます。新設が検討されている防災庁との関係も不明です。――法案は、副首都に指定される条件として、一定の人口や経済規模、省庁の出先機関の集積を求めています。 副首都の候補を大都市に限っただけでなく、大阪への指定ありきで進めようとしているように見えます。 昨年の大阪・関西万博の開催に続いて、副首都を大阪の活性化に利用しようとしているような気がします。――東京一極集中の解消を唱えてきましたね。 私は長年、東京と地方が上下関係にある現在の垂直型、階層型の社会経済システムを、情報社会に対応するため、それぞれが平等につながる水平型に変える必要があると考えてきました。 東京に様々な権限や人材が集中することで、地方との格差が広がってしまったためです。 解決策として唱えたのが、米国の首都で政治の中心を担うワシントンと経済都市のニューヨークに見られるような役割分担でした。 政治・行政・司法の中枢である首都機能を東京から他の場所に移し、東京には身軽な経済都市として引き続き活躍してもらおうという考え方です。 社会の情報化・デジタル化が進んでおり、移転先は大都市である必要はありません。 海外の要人が利用できる国際空港に近く、主要先進国の首脳会議(サミット)が開かれた北海道の洞爺湖や、三重県・伊勢志摩の島には、警備しやすいというメリットがあります。 首都のあり方を変え、政治的な権限や予算を地方に移せば、各地のやる気を引き出し、過疎にも歯止めをかけられます。首都機能の移転候補先だった3地区の強み――副首都は、東京の減量化に役立ちませんか。 副首都構想は、東京が首都と…
