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【社説PLUS】社説を読む、社説がわかる連載「社説PLUS」毎日のテーマに何を選び、どう主張し、誰にあてて訴えるのか。論説委員室では平日は毎日、およそ30人で議論し、総意として社説を仕上げています。記事の後半で、この社説ができるまでの議論の過程などをお届けします。 政治的に中立な教育とは何なのか。 沖縄県名護市辺野古沖での校外学習中に生徒が死亡した同志社国際高校(京都府)に対し、文部科学省が政治的中立を定めた教育基本法の条項に違反すると認定してから1カ月余り。高校を中心に教育の現場では戸惑いが広がり、萎縮も見られます。 生徒たちは、米軍普天間飛行場の辺野古への移設工事の状況を海上から見学しようと小型船に乗り込みましたが、その船が転覆し、取り返しのつかない事故が起きました。船の運航団体「ヘリ基地反対協議会」に対しては安全管理上の疑いから捜査が続いており、学校側にも様々な不備があったことが明らかになりました。 論説委員室の議論では、若者の将来を理不尽に奪うことになったずさんさを批判し、愛する子を失った親の無念さを思う発言が相次ぎました。その上で、1947年の法施行から初となる文科省の違法認定は見過ごせないとの認識を出発点に、議論を重ねました。 「安全管理」と「教育の内容」。辺野古の地で交錯した二つの問題は、混同されがちです。 両者を区別した上で、問題点を論じていく必要がある――。社説の掲載にいたる議論の一部を紹介しつつ、論説委員室の考えを改めて記します。【5月26日(火)社説】辺野古めぐる学習 文科省の違法認定に残る大きな疑問この社説ができるまで 論説副主幹・田中雄一郎 文科省が今回違法と認定したのは、安全管理面ではなく、教育内容についてです。社説検討会議での議論は、法の条文と関連する通知の内容を確認することから始め、2日間にわたりました。 教育基本法14条2項 法律に定める学校は、特定の政党を支持し、又(また)はこれに反対するための政治教育その他政治的活動をしてはならない。 2015年10月29日付文科省通知「高等学校等における政治的教養の教育と高等学校等の生徒による政治的活動等について」の「教育に関する指導上の留意事項」 多様な見方や考え方のできる事柄、(中略)対立のある事柄等を取り上げる場合には、生徒の考えや議論が深まるよう様々な見解を提示することなどが重要である。 高校の研修旅行の一環で行われた今回の平和学習について、文科省は調査の結果、次のとおり指摘しました。・事前や事後の学習で様々な見解を十分に提示していたことが確認できない・多くの教員が(辺野古での普天間基地代替施設建設に反対する)抗議船との認識を持ちながら船からの見学を実施・牧師でもある船長が研修の開会礼拝で抗議活動に関する説明を複数年にわたって実施・過去の研修旅行のしおりにヘリ基地反対協議会の座り込みをお願いする文書を掲載 同志社国際高校は、事故直後の記者会見で、抗議活動を行ったり立ち会ったりしたことはないと説明。同校関係者は朝日新聞記者の取材に対し、「基地で働く人もいれば、座り込んで反対する人もいることを伝えている」と話していました。一方で、文科省の調査結果を受けて改めておわびの意を示し、文科省の指導を踏まえて改善措置を速やかに実施するとしました。 こうした状況のなかで、検討会議では次々と問題提起や意見が示されました。 「様々な見解へのバランスは、学校での教育全体を通じてとれていればよいはず。その観点からの調査は尽くされたのだろうか」 「文科省の報告書は、調査でわかったことを列挙し、総合的に勘案したとして法違反を認定している。そこに論理の飛躍を感じる」 「キリスト教系の学校として牧師でもある船長と懇意にしていたため、任せきりにしていたというのが基本的な構図では」 「第2次世界大戦の終戦直後にできたという教育基本法の歴史を意識する必要がある」との指摘も出ました。戦前への反省を踏まえた教育基本法 戦前の軍国主義のもとで、教育は戦争遂行に役立つ人材を育てる手段として使われました。その反省を踏まえ、教育への政治権力の介入を防ぐことが教育基本法の根底にあり、16条で「教育は、不当な支配に服することなく、この法律及び他の法律の定めるところにより行われるべきもの」とうたっています。14条2項の「政治的中立」規定も、そうした大原則のもとにあります。 政治的な問題では、とかく意…






